ChoroClub PROFILE
笹子重治(アコースティック・ギター)秋岡欧(バンドリン)沢田穣治(コントラバス)の3人によって89年に結成された弦楽ユニット。
ブラジルの伝統的な都市型インストゥルメンタル・ミュージック「ショーロ」にインスパイアされながらも、全く独自のサウンドを創造する。90年にファンハウスレコードと契約、94年までに5枚のCDをレコーディングしたのを皮切りに、現在までにソニーレコード、キングレコード、オーマガトキ、ビクター、ソングXジャズなどから、計24枚のCDを発表している。その活動のフィールドは、通常のコンサートホールやライブハウスだけでなく、美術館やギャラリー、神社仏閣、ジャズフェス、ストリートに至るまで幅広い。
DJを加えてのクラブ・イベントをこなすこともある。海外でも、92年リオデジャネイロのイパネマ海岸で3000人を超える観衆を集めたコンサートを行った他、95年には国際交流基金の主催事業として中 南米6ヶ国をツアー、01年3月にはブラジル北東部のフォルタレーザでもコンサートを行った。また03年8月には、サンパウロにて平良とみさんとの共演による「劇場版ニライカナイ」を上演。
レコーディング、コンサートを通じての新旧アーティストとの共演歴も豊富である。音を交わした主なアーティストは以下のとおり。
ジョイス(Joyce)、城戸夕果、EPO(エポ)、アン・サリー(Ann Sally)、畠山美由紀、Yae(ヤエ)、吉田慶子、toyono、本谷美加子(オカリナ)、平良とみ、古謝美佐子、大島保克、桑山哲也、溝口肇、大貫妙子、南佳孝、松田美緒、ギリェルミ・ヂ・ブリート(Guilherme de Brito)、イタマラ・コーラックス(Ithamara Koorax)、ジャキス・モレレンバウム(Jaques Morelenbaum)、マルコス・スザーノ(Marcos Suzano)、アート・リンゼイ(Art Lindsay)、シバ(Shiba、メストリアンブロージオ)、カルロス・マルタ(Carlos Malta)、ジョゼ・ピニェイロ(Jose Pinheiro)、知久寿焼(たま)、内海イズル、山本精一、岡部洋一、渡辺亮、ヴィヴィ(vievie)、柏木広樹、アンディ・ベバン(Andy Bevan)等。
また02年にはに木村拓哉主演の年末スペシャルドラマ「忠臣蔵1/47」の音楽制作を、03年には山田太一ドラマの挿入歌を、04年1月には、日本テ レビの連続ドラマ「彼女が死んじゃった」の音楽を担当。05年10月からは、テレビ東京系列のアニメ「ARIA」の音楽を3シリーズ連続で担当。(いずれも、サントラも発売。)その他NHKの大河ドラマのエンディングテーマ、バラエティー番組や情報番組等の音楽の担当する等、テレビを舞台とした音楽制作は活動の柱のひと つとなっている。その他ラジオでは、J-WAVEの人気番組「サウヂ・サウダージ」のテーマを長く担当。また、03年には、映画「油断大敵」(主演:役所広司、柄本明) の音楽を担当した。
近年の活動としては、2011年に7人の歌手をゲストに武満徹のポピュラーソングばかりを集めた『武満徹ソングブック』を、リリース。それにちなんだコンサートシリーズを全国で展開。また2017年には久々のオリジナル作品集「musica bonita」をソングXジャズより発表。
秋岡 欧
Oh Akioka
ショーロクラブでの演奏、作・編曲、プロデュース活動の傍ら、故ギリェルミ・ヂ・ブリート、ミウーシャ、マウリシオ・カヒーリョ、ゼリア・ドゥンカンといった個性派ブラジル人ミュージシャンはもとより、国内外の多様なアーティストとも共演多数。また2000年には笹子重治とのデュオ・ユニットによるオールブラジルプログラム作品「DUO」(オーマガトキ)をリリース。その他の主なレコーディング参加作品も中国映画「青い凧」(93年東京 国際映画祭グランプリ作品)、相米慎二監督遺作「風花」、呉美保監督・脚本「オカンの嫁入り」、連続テレビ小説「あまちゃん」等のサウンド・トラックからロック、ポップス、コンテンポラリー、ワールド・ミュージックにいたるまで、ジャンルの壁を越えて多岐にわたる。
笹子重治
Shigeharu Sasago
1958年、神戸市生まれ。ブラジリアン・スタイルの奏法の影響を受けたギタリストとして、パウリーニョ・ダ・ヴィオーラやナラ・レオン等多くの来日ブラジル人アーティストとセッションを重ねた後、86~87年にかけてブラジルで活動。帰国後、ショーロクラブを結成。更に2004年には新たにインストゥルメンタルトリオ、コーコーヤを立ち上げ、アルバムを、サントラも含め5枚発表。
また、同じく90年以降、EPO、比屋定篤子、Ann Sally、桑江知子、大島保克、宮沢和史、NUU、古謝美佐子、畠山美由紀、松田美緒、照屋実穂、手嶌葵、吉田慶子、鈴木重子、大島花子、純名里沙、落合さとこ、池田綾子、かとうかなこ、小松亮太、江藤有希等、J-POPから民謡までの歌手やインスト奏者プロデュースやサポートを中心としかコラボレーションを展開。特に、ギター一本によるそれらアーティストとのデュオによるパフォーマンスには、定評がある。2010年、個人名義としては唯一のアルバム「onaka-ippai」発表。
作曲の分野でも、ふたつのインストユニットでの多数の楽曲の他、各共演歌手との共作、ブラジルの国民的作詞家パウロ・セザル・ピニェイロ、ルーツサンバの長老、故ギリェルミ・ジ・ブリート、日本でも人気の高いシンガーソングライター・ジョイスとの共作などもあり、それぞれCD化されている。
沢田穣治
Jyoji Sawada
その活動は幅広く、ジャンルにとらわれない活動を続けながら様々なアーティストのプロデュースや映画、アニメ、ドラマなどの音楽制作なども多い。
近年の作品にはアントニオ・カルロス・ジョビンの作 品集「Canta Jobim」、2011年の震災を受け止めて音楽として昇華した「NO NUKES JAZZ ORCHESTRA」、「武満徹ソングブック」等、最近ではジャズギタリスト馬場孝喜「Gray Zone」、日本初録音となるジョージ・クラム作曲『マクロコスモス II』や畠山美由紀「歌で逢いましょう」などをプロデュース。アレンジャーとして今まで川本真琴、フィッシュマンズ、忌野清志郎、太田裕美、バッファロードーター、上間綾乃、松下奈緒などほか、多数手がける。
2015年静岡AOIでのジョビン関連公演においてはジョビンへのオマージュ曲を福田進一氏によって初演される。
2014年から居を移した京都ではバッシェ音響彫刻との再会がありその京都芸大でのプロダクトに参加、最近では映像作家ヴィンセントムーン氏とのコラボも実現。あと高木正勝、渡辺亮、馬場孝喜など京都ゆかりの音楽家と共に制作した「Closeness Ensemble of Kyoto / WaBaSaTa」が自身のsong x jazzからリリースされる。